悲しい


まちがいなく人生最悪の日と
その前後二週間ほどが怒涛のようにすぎました。
「泣き死ぬ」と思ったけれど
どうやら普通に会話もできるし、笑うこともできています。
ただ、それは
3日後くらいから母に関する記憶が
なにかフィルターを通したような
ロックがかかったような
麻痺したような感覚になってるためで
これは、悲しみがある一定量を超えると
自動的に起こる脳や体の防御反応かね?
なんて、姉と話しています。
別人格が日常生活を担っていてくれて
よーく麻酔が効いているうちに時間がたって
いつのまにか回復できるんじゃないか
とか。


この一年くらいは
毎週実家に泊まりに行き
お世話や家事をして
空いた時間には他愛ない会話をしたり
「大草原の小さな家」のDVDを見てすごす
母との平日の午後の時間が大好きでした。


母が話せなくなる前の日
すでに意識はあまり
はっきりしていないものの
二人きりになった時間があって
わたしは泣いていたんだけれど
「これが最後のチャンスかも」
と突然思って
目を閉じている母の腕をつかんで
「おかあちゃんのこと大好きだでね」
と言ったのです。
そしたら母がふっと正気に戻ったように
しっかり目を開けて
私の腕をぽんぽんとたたいて、つかんで
「我が家の娘は最高だ」
と言って
わたしが
「おかあちゃんが最高なんだよ」
というと、笑って
「ありがとね」
と言った。

結局、母と会話らしいやりとりができたのは
これが最後になりました。



帰り際
「じゃあまた来るね」
と母に手を振るとき、常にあった
「これが最後になったらどうしよう」
という恐怖心だけは
今はない。
最初に母の病気がわかってから
10年近く、ずっとずっと
心底、来るのを恐れていた
その瞬間が今なんだなと思うと
もう、怯えなくていいんだという
不思議な安堵感はあります。



家族、といえば
母、姉、私、妹、夫、奈央
6人でいままでずっと
仲良く支えあってきた。
その全員が揃うのを
母はがんばって待ってくれていた。
そんなところまで、最後の瞬間まで
「自分よりみんな」
の人だった。



少なくとも
いま母は痛がってはいない。
体も自由自在に動けて
姉のそばにも、名古屋の私たちのそばにも
いつでも飛び回って、来てくれている
そんな想像を、今はしています。
Commented by mitmits at 2013-03-25 21:22
miyodaさん、こんばんは。
お久しぶりです。
名古屋のMITを閉めて、今は、新城の両親、姉、夫と暮らしています。
こちらに来てから、時折、miyodaさんのブログを
訪ねておりました。
うまくいえませんが、ご家族の皆様、感服していました。
優しいmiyodaさんのご看病の様子、ずっと
見せていただいていました。
きっと、本当にお母様はお幸せだったことと思います。

日に日に年老いていく両親に
何か私にもできることはないかと考える日々です。
Commented at 2013-03-25 21:31
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miyoda-miyomiyo at 2013-03-26 19:19
mitさん、おひさしぶりです!
MIT閉められたのですね。知りませんでした・・
近くにいらっしゃったんですね^^
そして見に来ていただいていたこと、嬉しいです。
コメント、感激しました(特にあとのほうの・・)
(デリカシーない人はそもそも「デリカシー」って言葉を
知らないと思います)
こういうときってだれかの言葉が心にしみるものですね。
私もこれから絶対そうしよう、って思いました。
大好きなmitさん、これからもよろしくお願いします。

Commented by yumi at 2013-03-27 12:04 x
言葉のすべてがあの時の私を思い起こさせます。
亡くなってから、もう、これで母を喪う恐怖から開放されたのだ・・・と思いました。
私も母が亡くなった前後のことがぼんやりとしたフェルターにかかってしまって、命日や葬儀の日とカレンダーを見ていつだったか混乱することが・・・(知人も同じだと言っていたので、これってやはり防御反応ですよね)
それなのにたくさんの断片的な出来事がはっきりと頭に残っているのです。
私の母は3年の闘病生活で、母の病がわかってからはより身近に、濃い毎日を過ごしました。母との会話は、 いつも笑いに溢れ、きっと元気だったらこんなにお互いを思い合えなかったのかも。皮肉なものです。
6年過ぎた今も、悲しみは深まる一方ですが、母の亡き後もそれ以上に幸せになり、一緒に母と生きているんだ!と思うようになりました。
なので、この6年、たくさんの幸せに包まれていますよ。
きっと母が悲しみ以上の幸せをもたらしてくれているんだと思います。 今はお辛いと思いますが、どうかお母様を身近に感じてあげてくださいね。
Commented by miyoda-miyomiyo at 2013-03-28 23:46
yumiさま
何度も読み返しました。「一緒に母と生きている」って
その感じ、必ずわたしもそこへたどりつける気がするんです。
特に私は母とは離れて暮らしていたのでむしろ、
自宅にいるときはそう思えるようになると、ほとんど確信してるのです。が、いまは麻痺状態の隙をついて突然襲ってくる
「会いたいよ!」という猛烈な気持ちが辛すぎて。
当たり前ですよね。
仕事に復帰しましたが、そこでは普通に明るくしゃべってる自分
(もちろん会社で泣いたりしたくはないのですが)に
むなしいような情けないような気持ちになります。
なんかとりとめなくなりましたが、今はとにかく気持ちが
ちぐはぐしてるというか、毎日ふらふらしてます。
コメントありがとうございます。本当に救われます。
by miyoda-miyomiyo | 2013-03-25 20:27 | 日々雑記 | Comments(5)

仕事も家事もグダグダですけど!週末大好き、わたしと家族の12ヶ月。


by miyoda-miyomiyo
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